1話
時は大正。父親を亡くし家族を支えるために主人公・竈門炭治郎は炭焼きをし家計を支えていた。決して裕福ではなかったが幸せにつつましく日々を送っていた。しかしある日炭治郎が町に炭を売りに行き夜になったため知り合いの家に泊めてもらい、翌日の早朝、家に戻ると母、小さな弟や妹までも家族は皆鬼に襲われ絶命していた。ただ一人命をとりとめていた妹・禰豆子の命だけは救おうと背中に背負い雪道を急ぐ炭治郎。しかし途中で禰豆子はいきなり唸り声をあげて炭治郎に襲いかかってきた。
2話
炭治郎は冨岡義勇の導きにより、鬼に変化した妹・禰豆子を背負い狭霧山に住む鱗滝左近次という老人を訪ねることにした。夜の道中、炭治郎はお堂から血の匂いがすることに気が付き急いで駆け寄った。そこには鬼がいて人を喰い殺していたのだった。いきなり炭治郎たちに襲いかかる鬼に、持っていた斧でかろうじて応戦する炭治郎だったが鬼の力は圧倒的、組み伏せられてしまう。鬼が炭治郎にとどめを刺そうとした時、炭治郎を救ったのはなんと禰豆子だった。鬼にとどめを刺すことをためらう炭治郎、そして朝日が差すと鬼は・・。
3話
鬼殺隊――古より存在し、鬼を狩る組織。止めをさせなかった炭治郎の甘さを叱り、鬼の妹と共に生きるためには鬼殺隊に入るしかないと説く鱗滝左近次のもとへ行く炭治郎。鱗滝は「育て」という剣士を育てるもの、入隊のための試験「最終選別」を受ける素質があるかどうかを見定めるため、炭治郎に厳しい訓練を課す。1年間にわたり鱗滝のもとで様々な修行を重ねた炭治郎に「もう教えることはない」と言い、最終戦別へ行くための条件を言い渡す。それは巨大な岩を刀で一刀両断にすることだった。最後の条件を乗り越えられない炭治郎の前に現れたのは…。
4話
「最終戦別」に望んだ炭治郎。合格条件は藤襲山で7日間生き延びること。しかし山には鬼殺の剣士たちが捕らえた飢えた鬼が閉じ込められているのだ。次々に襲いかかる鬼を鱗滝のもとで積んだ修行により身に着けた呼吸法と型で着実に仕留めていく炭治郎。だがそんな炭治郎の前に、藤襲山にはいるはずのない異形の鬼が現れた。その鬼はかつて鱗滝の元で修行を受けた少年達、そして炭治郎の岩を斬る鍛錬に手を貸した錆兎と真菰をも喰らい、巨大に膨れ上がった巨大な敵であった。
5話
死闘の末、7日目の朝が来た。生き残った剣士はわずかに4名。炭治郎たちを出迎えた案内役の子供達は鬼殺隊の説明をし、各々に鬼殺隊の隊服、伝令役をする鎹鴉を手配してくれた。最後に鬼を斬れる唯一の刀である「日輪刀」の材料となる玉鋼を選ぶ剣士たち。そして禰豆子と鱗滝の待つ家へと痛む体を引きずり戻った炭治郎は、ずっと眠り続けていた禰豆子が歩く姿を見て涙を流して喜んだ。しばらくすると炭治郎の日輪刀を携えて鋼鐵塚がやってきた。そして鋼鐵塚が炭治郎に刀を渡すとすぐに鎹鴉が伝令を持ってやってくる。
6話
炭治郎は鬼殺体の隊服を身に着け、腰には日輪刀、そして鱗滝が禰豆子を入れるために特別に作ってくれた木箱を背負い、はじめての任務へと出発する。北西の町では毎夜少女が失踪しているというのだ。町に着くと恋人・里子をさらわれて憔悴しきっている和巳という男性と出会った。確かに近くに鬼の匂いを感じるのだが、その姿は見えない。和巳の協力を得て里子のいなくなった路地へと向かった炭治郎たちに異能の鬼が姿を現す。その鬼は町のあちこちで少女をさらっては喰っていた「沼の鬼」。匂いを頼りに戦う炭治郎だが…。
7話
「沼の鬼」は3人に分裂する能力を持ち、地面や壁などを水中にいるかのように自由に動き回れるのだ。人を守りながらの戦いに苦戦し追い詰められる炭治郎。その時禰豆子が鬼へと襲い掛かった。妹はもう守らなければいけないほど弱い存在ではないと意を決した炭治郎は、和巳たちを禰豆子に任せ、自らは地中へと広がる沼へと飛び込んでいった。沼の中の2人の鬼を仕留めた炭治郎、地上で闘う禰豆子も健闘、残りの1人の鬼を追い詰めた。その鬼に「鬼舞辻無残」という人物について問いただすも、その鬼は怯え…。
8話
沼の鬼の次の指令は東京・浅草へと向かえという。見たこともない華やかな都会の街並みや人混みに戸惑う炭治郎。そこへ漂ってきたのはかつて家族を喰った鬼の匂い。匂いを追った先で出逢ったのは鬼舞辻無惨だった。鬼舞辻無残を斬ろうと構える炭治郎だったが、なんと無残は幼い娘を抱き妻を連れていた。無残は人間に紛れて生活をしている。炭治郎が見せたすきを突き、通りすがりの人間を鬼に変化させ町中を混乱に陥れた。事態を収拾しようと必死の炭治郎に手をかしてくれたのは美しい女性、しかし彼女は…。
9話
炭治郎を救ったのは珠世と愈史郎という鬼だった。彼らは街中で鬼に変えられた男性と襲われた妻を手当してくれていた。「目隠しの術」を施した屋敷へと案内された炭治郎と禰豆子。珠世は鬼でありながら人を喰わなくても生きられるように愈史郎とともに工夫をしていた。さらには鬼を人間へ戻す方法を試行錯誤しているようだった。その話を詳しく聞こうとしたその時、炭治郎達を追って2人の鬼が屋敷の場所を突き止め、猛烈な攻撃を仕掛けてきた。
10話
珠世の屋敷を襲った鬼は手毬のような武器使う朱紗丸と、矢印を操る矢琶羽。鬼舞辻無残の命を受けた「十二鬼月」である彼らは炭治郎と珠世を捕らえるために畳みかけるように「血鬼術」を使い襲いかかる。炭治郎の苦境は続くが、矢琶羽が最期に繰り出した「紅潔の矢」を水の呼吸を使いしのぎ辛くも生き延びた。一方、朱紗丸と闘う禰豆子は戦闘の中で成長を見せるも苦境にあった。状況を危惧した珠世は自身の血鬼術「白日の魔香」を用い朱紗丸を追い込む…。
11話
次なる鬼退治の地は南南東、鎹鴉から早くも命令を受けた炭治郎達。道すがら最終戦別で生き残った同期の剣士・我妻善逸と出会う。善逸はとても臆病で、任務に消極的、そんな善逸に手をやきつつ山の奥へとたどり着く2人。そこには屋敷があり、前には兄を連れ去られ怯え震える兄妹が立ちすくんでいた。子供たちを励ます炭治郎の傍らで、聴覚に優れた善逸はどこからか鳴り響いている気味の悪い鼓の音を気にしていた。突然、屋敷の窓から血まみれの少年が投げ出されてきた。
12話
鼓を打つたびに、部屋が回転する奇妙な屋敷は鬼の血鬼術によるもので、炭治郎と善逸は中で離れ離れになってしまった。善逸は屋敷の前にいた兄妹の兄・正一を連れ恐怖に絶望するが猪の頭をかぶった奇妙な姿の男を見てさらに震えあがる。一方、炭治郎は妹・てる子と共に鬼と対面していた。次々に入れ替わる部屋にとまどう炭治郎の前に、先ほどの猪の頭の男が現れる。また鬼と遭遇した善逸は恐怖のあまり一瞬、気を失う。しかしそれが善逸の強さを引き出す秘密で、鬼の首を見事に落とした。しかし実は善逸本人は自分のしたことは覚えていないのだった。
13話
屋敷の主・響凱が鼓を打つたびに部屋が回転するという攻撃に炭治郎は苦戦を強いられる。すでに前の戦いであちこちに怪我を負い完治していない炭治郎は自らを鼓舞して敵に必死に立ち向かっていく。水の呼吸を使い響凱をなんとか倒して子供たちを連れ屋敷を出た炭治郎は、禰豆子の入っている箱を、猪の頭の男から庇って殴られても蹴られても抵抗をせず、必死に耐える善逸のぼろぼろになった姿を見た炭治郎の怒りが爆発する。
14話
響凱に勝利し、屋敷の外に出た炭治郎は禰豆子の入った箱を守ってぼろぼろになった善逸の姿を見る。そこには先ほどの猪頭の男が二本の日輪刀を抜き、善逸と禰豆子を斬ろうと振りかぶっていた。炭治郎が殴りかかり男の猪の被り物を取ると、頑健な肉体とは似つかわしくないほど美しい顔の少年だった、彼の名は嘴平伊之助。彼は「育手」を介さず選別参加の後に鬼殺隊に加わっていた。鎹鴉に連れられて炭治郎、善逸、伊之助の3人は休息のため「藤の花の家紋の家」へと向かう。そこは鬼狩りであれば無償で尽くしてくれる一族の家だった。
15話
藤の花の家紋の家で体を癒した炭治郎、善逸、伊之助、そして禰豆子。次なる目的地は北北東、那田蜘蛛山へ向かうように指令が下った。怯える善逸を残して炭治郎と伊之介は山へと入っていく。その山へ向かう道の途中、蜘蛛の糸に絡み取られた鬼殺隊員と遭遇する。助けを求めながら山へと引っ張られていった隊員を追い山奥深く分け入るとあちこちに蜘蛛の巣が張り巡らされている。その糸に操られ隊員たちは互いに斬りあったらしい。やがて炭治郎達は蜘蛛の鬼の一家に遭遇することになる。
16話
蜘蛛の糸に囚われた鬼殺隊員達は先遣隊、しかしほぼ壊滅状態へと追い込まれていた。奥へと進む炭治郎と伊之助は隊員たちを傷つけずに動きを止める方法も困難になっていく。蜘蛛の糸はだんだんと太くなり、とうとう蜘蛛鬼の一家と遭遇。「母さん」と呼ばれながら、なぜか怯える女の蜘蛛の鬼、そしてその鬼が蜘蛛で操る「人形」、炭治郎と伊之助は分担を決めて戦い、女の鬼を仕留める炭治郎。だがその鬼は最後に炭治郎に向かい「十二鬼月がいるわ」と教えて消えていった。
17話
那田蜘蛛山の母鬼を倒した炭治郎は、この山に禰豆子を人間に戻す手がかりとなる鬼「十二鬼月」がいることを知った。深い傷を負った伊之助とともに炭治郎はさらに森の奥へと進んでいく。炭治郎達を追ってひとりで森を進む善逸の前に現れたのはなんと「人面蜘蛛」だった。蜘蛛の毒に侵され恐怖のどん底に陥った善逸はまた気を失った。そして唯一の技「雷の呼吸・壱ノ型」を繰り出し辛くも人面蜘蛛を倒すことに成功するも目が覚めた時には体中に毒がまわりもう動けなくなっていた。一方炭治郎と伊之助はまた新たなる女の鬼を追いかける途中、「お父さん」と呼ばれる巨大な別の鬼に遭遇してしまった。
18話
那田蜘蛛山の父鬼と対峙する炭治郎と伊之助。父鬼は怪力で炭治郎は伊之助に「死ぬな!」と言い残し吹き飛ばされてしまった。なんとか着地した先で炭治郎は姉鬼を痛めつけている鬼の少年・塁と出会った。恐怖と憎悪で支配し、無理矢理に結んだ関係を「家族の絆」という塁に激怒する炭治郎。また塁も炭治郎の「お前達の絆は偽物だ」という言葉に激高し2人は戦いを開始する。また失血しながらも父鬼と必死に戦う伊之助にもピンチが訪れていた。あわや伊之助の頭が握りつぶされようとしたとき、駆け付けたのは…。
19話
鬼殺隊最強の剣士である柱が那田蜘蛛山に到着した。父鬼を一刀のもとに切り伏せる水柱・冨岡義勇を見た伊之助は自分との格の違いに興奮して戦いを挑む。一方、蜘蛛の毒に侵され瀕死の状態の善逸のところには蟲柱・胡蝶しのぶが救援に来ていた。炭治郎は十二鬼月の下弦の伍である「塁」と相対しその強さに追い詰められていく。応援に来た禰豆子と炭治郎の絆を見た塁は「禰豆子」を自分の妹にしたいと欲しがる。やがて疲れ果ててしまった炭治郎の頭には父に教わった「火の神神楽」の舞が蘇ってきた。また禰豆子も夢に浮かんだ母の声に目を覚まし「爆血」という術を発動させる。
20話
走馬燈の中で亡き父が舞っていた神楽を思い出し新たな技を放つ炭治郎。「ヒノカミ神楽・円舞」その技で、ついに累の頸を斬り落としたと思った。しかしなぜ塁は首を落としても倒れない。塁が放った血鬼術に身動きも取れない程に疲弊をしていた炭治郎は死を覚悟した。そこに冨岡義勇が現れ塁の首を刎ねて炭治郎を救う。塁は首だけになり朽ち果てながらも、まだ炭治郎と禰豆子を見つめ、家族の絆に思いをはせるのだった。
21話
深い傷を負い体を引きずりながら禰豆子を助けようとする炭治郎を見ながら、塁の頭には過去の記憶がよみがえってきていた。生まれつき体の弱い塁は鬼舞辻無残と出会い血を分け与えられて丈夫な体を手にしたが鬼となってしまったために人間を喰らわねばならなかった。それを見た父と母や塁を殺そうとした。それから塁は「本当の家族」を探し求め続けてきたのだった。しかし塁は思い出した、母は塁に謝りながら、父は鬼となり人を殺めた罪を一緒に背負って死のうとしてくれていたのを。炭治郎が塁の最期に背中に乗せた手の温もりに。やがてしのぶが駆け付け、炭治郎達を救った冨岡を「隊律違反」と言い禰豆子を斬ろうとする。
22話
那田蜘蛛山の戦いは終わった。炭治郎と禰豆子は鬼殺隊本部へと連行された。そこで鬼殺隊当主・産屋敷輝哉と「柱」と呼ばれる最強の戦士たちが集まり「柱合会議」が行われることになっていた。鬼である禰豆子を庇っていることから炭治郎は柱たちから「鬼殺隊の隊律に違反する」と糾弾されてしまう。中でも風柱・不死川実弥は禰豆子の入っている箱に刃を向ける。そこに当主・産屋敷が現れ、禰豆子の処遇について書かれた鱗滝からの手紙を読み上げた。それでも納得のいかない不死川はさらに自分の腕を斬り、禰豆子を挑発する。
23話
鬼殺隊当主・産屋敷は炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として行動することを容認すると言うが、柱たちは納得がいかない。風柱の不死川実弥は自らの腕を傷つけ、禰豆子の人間の血への欲望を挑発する。しかし禰豆子は耐え抜き、炭治郎と禰豆子の存在が公式に認められることとなった。ひどい怪我を負っている炭治郎は治療のために蟲柱・胡蝶しのぶの屋敷「蝶屋敷」へと連れて行かれる。そこには既に治療をうけている善逸と伊之助の姿もあった。
24話
蟲柱・胡蝶しのぶの「蝶屋敷」で治療を受ける炭治郎、善逸、伊之助。2週間後には炭治郎と伊之助は「機能回復訓練」を開始することになった。だがその訓練は非常に過酷で、炭治郎達はすっかり自信を無くし落ち込んでしまう。遅れて訓練に参加することになった善逸は内容を聞き女の子達と接触できると知るややる気を見せる。だがやはり伊之助、善逸は訓練の厳しさに心を折られ訓練をさぼるようになってしまう。炭治郎はひとりでも訓練を続け、声をかけてくれた胡蝶しのぶに彼女のつらい過去の話を聞くことに。
25話
機能回復訓練を続ける炭治郎は「全集中の呼吸」を一日中続けることを目標に修行に励んでいた。同期の剣士・栗花落カナヲにはじめは全く敵わなかったのだが、徐々に上達を見せる炭治郎を見て、善逸と伊之助も訓練に復帰することを決意した。しのぶの言葉に乗せられ、3人が皆全集中の呼吸を会得した頃、戦いで折れた日輪刀を打ち直し、新しい日輪刀を携えて鋼鐵塚と鉄穴森が炭治郎と伊之助のもとへとやってきたのだが…。
26話
炭治郎が機能回復訓練に勤しんでいたころ、鬼の絶対的支配者・鬼舞辻無惨により、十二鬼月の下弦が集められていた。炭治郎たちが倒した累は下弦の伍であった。下弦の鬼が倒されたことに無惨は怒り、鬼たちのほとんどを解体。だがその中で下弦の壱である「魘夢」は無惨に殺される事を「至福」だと言う。それを気に入った無惨は魘夢に血を与え、鬼狩りの柱を殺せ、また炭治郎を殺せと命じる。そして鎹鴉から炭治郎達に新しい任務が伝えられる。「無限列車」へと乗り込む炭治郎達の行く手には更に強く、手ごわい敵が待っている…。